exhibition
安西大樹
長谷川誠
柿崎真子
松山隼
尾崎森平
ちばさなえ
樋口佳絵
辛遊理
森田梢
大槌秀樹
出町隼人
本田恵美
小林志保子
ナガバサヨ
柴田有理
越後しの
本田健
工藤陽之
根本裕子
髙橋克圭
福田紗也佳
石川春香
増子博子
大柳暁

本田健
HONDA Takeshi

小正月(ひな草)/2014年

山あるき-四月(タンポポ)/2010年

山あるき-十月(月)/2009年
 私は絵を「モノ」としてとらえています。写真をチャコールでトレースする事の意味は、絵画的表現を使いながらも実はそこにモノとして、題材、素材、制作行為を限定しているのです。写真を使う事の、リアリズムとコンセプチャルリズムについてよく聞かれるのですが、私にとって重要だったのはその間にあると思われるミニマリズムでした。それは制作する側の精神的強度と関係しているのかもしれません。所謂絵画が解体されて、より意味の純度に向かったミニマリズムは、私にとって遠近法からも絵画の意味からも開放してくれました。そして制作意図も(全部ではないにせよ)全く新しくそれぞれのパーツ(材料をも含めて)を組み合わせるという約束事に置き換わりました。ただしそのパーツは嗜好的、生理的感覚で選んではいる。当然、制作は単調な作業にとって変わり、その単純な作業もまた私の生理にかなったものでした。私の作業はドローイングをするというより、煤(すす)を紙に載せるという意識が強いのですが、そのミニマリズム的行為が、日本の禅や俳句などに見られる精神世界と自分の中で自然に一致したのです。チャコール(煤)と紙を使ったその制作作業の〔持久力〕が、もっとも重要な意味を持つと私は思っています。また、私の絵を観る者にとっては、「時間の堆積を視覚化したモノ」としての感覚を与えていることを感じます。以上の意味としての「モノ」の表現です。
 写実の油彩画が始まって10年になります。ドローイングのリハビリとして必然的な事だったのですが、油彩画がドローイングに良い影響を与えたのかとこの頃考えています。まだ数は少ないですが、これから自分のカタチとしての表現まで持って行けたらと思っています。
プロフィール
1958年 山口県長門市出身
1987年 岩手県遠野市に転居

岩手県遠野市在住
主な活動
1992年 岩手県優秀美術選奨 受賞(岩手県教育委員会)
1994年 第一回金山平三賞記念美術展 金山平三賞 受賞(兵庫県立美術館)
1997年 「VOCA’97展」(上野の森美術館/東京)
1999年 「Selections Fall 1999」(ドローイング・センター/ニューヨーク)
2000年 「山あるき-一月」文化庁買い上げ
「ギャラリー203」(ミネアポリス美術館/ミネアポリス)
2002年 「自然を見つめる作家たち展」(徳島県立近代美術館/徳島・徳島)
2003年 「DOMANI・明日2003展」(損保ジャパン東郷青児美術館/東京)
「INTERNATIONAL PAPER」展(UCLAハマー美術館/ロスアンゼルス)
「今日の作家展2003」(横浜市民ギャラリー/神奈川・横浜、金津創作の森/福井・金津町 他)
「現代日本画の精華展」(熊本市現代美術館/熊本・熊本)
2009年 「原初の肖像」(国際芸術センター青森/青森・青森)
2013年 「冬の水、山あるき 東島毅+本田健」展(岩手県立美術館/岩手・盛岡)